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【百年銘酒スポットライト】vol.6
百年銘酒が誇る、秘蔵のウイスキーコレクションをコラム形式にてお伝えします。

_BOWMORE Bicentenary

この何とも印象的なハンドメイド・ボトル! 1779年創立、アイラ島で最も古い蒸留所であるボウモアが創業200周年を記念して1979年にリリースしたバイセンテナリー、通称「バイセン」だ。

1964年のヴィンテージ入りのものや表記無しのもの等、何種類かがリリースされており、誰もが認めるボウモアの最高峰ボトルに挙げられる。

中身は50年代~60年代の原酒と言われ、オールドシェリー、ブドウ、ブランデーのような熟した果実、オールドピートといったこの上なく魅惑的な特性を有しているが、これを現代で味わうことは難しい。

とりわけこの頃のボウモアはトロピカルな南国フルーツのテイストが顕著であると評されており、マンゴー、パパイヤ、パッションフルーツ、グァバ等に形容されることが多い。そして80年代のいわゆる「パフュームの時代」を経ると、90年代には再びトロピカルテイストが感じられるボウモアが多く誕生することになる。

それらは我々に深い感動と喜びをもたらすものだったが、残念ながら近年においてはリリースも途絶えつつあり、また既に海外では樽の取引価格が桁違いになっている。

そうした状況に淋しさを感じながらも、この素晴らしいトロピカルテイストを一度体験してしまった者があっさり手を引くとは思い難い。

今や幻と化した過ぎし日の恋を追うがごとく、ボウモアに限らず、この夢のようなテイストを身に秘めたウイスキーを焦がれ探し続けてしまっているに違いないだろう。
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