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【百年銘酒スポットライト】vol.15
百年銘酒が誇る、秘蔵のウイスキーコレクションをコラム形式にてお伝えします。

_OLD&RARE  PORT ELLEN 30YO  HUNTER LAING

長きにわたりシングルモルトを嗜んでいる愛好家なら、このボトルを目にして「おっ、昔よく出ていたOLD&RAREのポートエレンね」と思われるだろう。しかし実のところ、本作はOLD&RAREのブランドがダグラスレイン社からハンターレイン社へと移った2013年に、日本市場限定カスクとして一樽からわずか72本ボトリングされたという非常にレアな一品なのである。そしてちょうどこの頃からリリースが減り始め、幻のアイラモルトとして価格も高騰。さらにその数年後にはもう手が出ないほどに価格が跳ね上がり、飲む機会どころか目にする機会すら無くなってしまった。

ポートエレンといえば一時期ダグラスレインから沢山のリリースがあったが、それはダグラスレイン社の先代がアイラ島にゆかりがあったことに加え、何より自身がこよなく愛したウイスキーだったからだ。同社は沢山の良質なストックを蔵していたが、もともとブレンダーであったため優れて豊富な原酒をも保有しており、1998年からはオールド・モルト・カスク(OMC)ブランドの元、各蒸留所の古酒、ブローラやポートエレンを代表とする貴重な銘柄が多数リリースされていた。

余談にはなるが、さすがに同社も「あの時あんなにボトリングしなければよかった」と後々嘆いていたそうだ。
そして我々飲み手とて同じようなものだろう。あの頃美味しく飲んでいたお酒達をもう少し大事に取って置けばよかったなあと省みている数多の同好の士に、つい思いを馳せてしまう。

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