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【百年銘酒スポットライト】vol.22

百年銘酒が誇る、秘蔵のウイスキーコレクションをコラム形式にてお伝えします。

_BRUICHLADDICH  ‘FIRST EDITION’ MINIATURE TASTING PACK

1881年創業、ブルイックラディ蒸留所。1994年に一度操業停止となったが、その後2001年に新生ブルイックラディとして再始動。島の主要産物である大麦をはじめ、原料はアイラ島産にこだわり、またヘビリーピーテッドのポートシャーロットやオクトモアなどさまざまなタイプのウイスキーがリリースされている。そして新生ブルイックラディ最初の基本ラインアップとなるのが、この10年、15年、17年だ。

このボトル達は原酒が閉鎖前のものになるため、味わいはクラシックなブルイックラディテイスト。当時はウイスキーとしては奇抜な色合いをした外見から賛否両論あったが、今やこの色といえばブルイックラディ、と認められるトレードカラーになり、その地位を築いている。そう、最初からこのようなラインアップが可能であったことはもちろん、この基本ラインアップの他にも70年代ヴィンテージや30年オーバーの長期熟成品が多数リリースされていたという事実は、蒸留所の長い歴史を物語るものだったのだ。

アイラモルトというとどうしてもあの独特な味わい、特徴が強いウイスキーの方が知名度も人気も高かった。一時期、ピートやスモークの強さが競われると共にますます強調されてゆき、どれもが同じ方向性のウイスキーになってしまったように感じたのは私だけであろうか。逆にアイラモルトながらエレガントで華やかな味わいが楽しめる当時のボトルを懐かしむ根強いファンもいることだろう。

単なる年数違いだけではない、キャラクターの異なるこの三本は、蒸留所の歴史を体感させてくれる、今では味わえない貴重な閉鎖前のウイスキーである。

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