NEWS

【百年銘酒スポットライト】vol.24
百年銘酒が誇る、秘蔵のウイスキーコレクションをコラム形式にてお伝えします。

__Caol Ila 1979 30YO  The Old Malt Cask

このボトルは、カリラ1979 30年。オールド・モルト・カスク(OMC)がまだダグラスレイン社の取扱いだった頃のもので、同社の創立60周年を記念したボトルだ。通常のOMCは“The Old Malt Cask”の名称がラベルにプリントされているが、こちらは記念アイテムに相応しくボトル本体に豪華な金色でシルクプリントされた仕様になっており、当時はマッカラン、グレンファークラス(スペイサイド・ファイネスト)、ポートエレン、アードベッグ、ラフロイグ等、オールスターのような錚々たる顔ぶれがリリースされていた。

さて、話をカリラに戻そう。1979ビンテージというと各ボトラーから多数のリリースがあり、またオフィシャルの25年もリリースされていた年だ。フルーティーさが特徴となる品もあり、人気を博していたが、近年70年代のカリラは全くといってよいほど見かけなくなってしまい、今では大変貴重なものとなっている。80年代で言うと、1981ビンテージが「生ハムメロン」等と形容され特に人気を集めたことが思い出され、その後1982年や1984年を多く見かけるようになったが、現在に至っては80年代のリリースもまた非常に稀となってしまった。

しかし、こういった記念ボトルが伝説として我々の記憶に残りやすいのはなぜだろう?通常とは違う見た目の豪華さに魅かれるのも勿論あるが、やはり選ばれた特別な樽から成る記念のボトルには、生産者の特別な思いが詰まっているもの。それらの歴史に思いを馳せつつ、感謝の念を抱く時、我々もまた目の前のお酒を「特別なもの」として認識しているのであろう。
矢印一覧へ戻る