【百年銘酒スポットライト】vol.28
百年銘酒が誇る、秘蔵のウイスキーコレクションをコラム形式にてお伝えします。
＿＿SCAPA 16YO KINGSBURY
つくづくスキャパというのは何とも掴みどころのないお酒だと思う。
比較的有名な蒸留所の部類には入るが、それほど熱狂的に好きだという方をお見かけしたことがない（いらっしゃったなら失礼！）。いわゆる島モノということで注目はされるものの、同じオークニー島のハイランドパークの陰に隠れがちな上に、銘酒バランタインの主要原酒であるためシングルモルトとしてはあまり出回らず、そもそも飲む機会が少ない。はたまたスキャパで検索すると、他の蒸留所とは違いアパレルブランドが引っ掛かってくる等々――。
他にも挙げればキリがないが、しかし実際に飲んでみるとなかなか面白いお酒だなとも思う。
ノンピートの麦芽を用いているため味わいに過度な主張はないものの、口に含んで中盤辺りにほのかな果実が感じられる。そして全体がクリーンであるが故に、この印象がことさら強く残るのだ。
1980年に蒸留され、今から四半世紀以上前の1996年に詰められたこのボトル、現行品とは違った印象を持つ素晴らしいウイスキーであるに違いない。
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