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【百年銘酒スポットライト】vol.38
百年銘酒が誇る、秘蔵のスピリッツコレクションをコラム形式にてお伝えします。

__Littlemill 21YO  Pot still decanter

「ローランドの閉鎖蒸留所」と言えば、真っ先に挙げられるのがローズバンクではないだろうか。やや軽めの酒質ながら素晴らしい香りを漂わせ、人々を熱狂させるエレガントな余韻を残す魅惑の酒。ほぼ入手不可能となった今ではその記憶も美化され、再稼働後の評価は更に上がっていきそうだ。

かたや同じローランドの閉鎖蒸留所でありながら、リトルミルは全く正反対の評価を受け続けてきたように思う。「濡れた段ボール」などややネガティブな表現をされることも多かった一方で、少数の熱心なファンに支えられた愛すべき個性派蒸留所でもあった。

そんなリトルミルが突如、ポットスチルの形状をした特別な21年熟成品をリリース。弊社ではこのファーストリリースを2013年の秋に、そして今回ご紹介するセカンドリリース(最終版)を翌2014年に販売したが、商品の供給が不安定な状況は変わらず、残念ながらリトルミルは終売を迎えることとなった。

灯滅せんとして光を増す。私にとってこのボトルは、1772年設立というリトルミル蒸留所の長い歴史の中で、最後に煌めいた記憶に残る作品でもあるのだ。

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